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日志


6月28日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その30)

「舘シリーズ」というよりも「百人浜シリーズ」と言うほうが好きです。
読む順は 1、崖の館       (1977.1 )推理
       2、水に描かれた館 (1978.9 ) 推理+心理学
       3、橡家の伝説     (1982.6)時空間移動+心理学+転生
       4、榛家の伝説   (1984.11)時空間移動+医食同源
       5、夢館        (1980.3 )転生+占星術
       6、罪灯        (1983.6 )犯罪心理
       7、罪・万華鏡     (1983.10  )心理学
上久家継承権シリーズ
読む順は 1、 忘れな草     (1978.1  )企業継承+転生
       2、雪の断章     (1975.11 )企業継承
       3、花嫁人形     (1979.2  )企業継承       
       4、風花の里     (1981.5  )起業継承+転生
       5、ながれ星      (1981.11 )占星術+超常現象
後はご自由に なんですがあえて順番を付けるなら
1、影の姉妹(1982.11  )分け身
2、沙霧秘話(1983.2  )分け身
3、恋愛今昔物語(1979.9  )
4、新恋愛今昔物語(1981.4  )
5、舞姫-恋愛今昔物語(1981.6 )
ですかね。
佐々木丸美作品は作者の思いもあり、分類分をしないで楽しんでもらえると
いいのですが。
作品の傾向としましては、薄倖の少女。描かれない親子関係。
夭逝する女性たち。表面に表れない悲しみ。現代社会に対するいきどうり
超自然現象の味付け。まだまだ、ありますがこんなところで。
次回から登場人物を考察します。
6月27日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その29)

榛家(はしばみけ)の伝説 第1刷 1984年昭和59年11月5日 発行
装幀 味戸ケイコ+原 久美子 あとがき なし
「橡家の伝説」の姉妹作 第2の遺産の物語です。涼子が20歳になって
いますのでほぼ1年後でしょう。
「水に描かれた舘」に相似していますので、読みやすいです。
舘に医師団が集められ、叔母さんの治療にあたります。最初は叔母さん
が風邪をひいて、少々こじらせたこと。看病してちやほやされるのが
楽しくて涼子と結託して仮病を決めこむうちにおおごとになっていく。
そこへ第2の遺産をちらつかせ「榛」を名乗る女子大学生。
本物の相続人か搾取を企む偽者か?真偽を確かめようとするも、
居合わせた医師たちまで巻き込まれていく。
漢方医の麻木竹雄さんは「恋愛今昔物語」の中の(恋頭巾Ⅰ・Ⅱ)の
竹雄さんです。波子さんと結ばれたようですね。
時間空間移動の謎より、不老不死の妙薬に焦点が当てられながらも、
時間のゆがみになんやかを読み取ろうとする涼子。
自分を律することのできる者に奇跡は起こる。いやぁ~、耳が痛いです。
操と楠木さんに託された遺産は百人浜に帰りました。
後は虹のごとく見えども触れず、言わずもがななんでしょうね。
これで全作品 読み返しました。
いままで、書き落としたこと、全作品を通して見えてくることを書こうかな!

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その28)

「橡家の伝説」では哲文は医大に合格しインターン生になっています。
精神科医を目指して頑張っている途中という設定ですので、精神分析と
いうものに対しての、あり方、受け止め方、使い方の善悪、未知数など
などを語らせています。
子育て中の自分にとって、参考になります。自分の子供に対して
「なぜ、この子はこういう行動をするのか?」「なぜ、この子は自分の気持ち
の表現がへたなのか?」「では、どうしたらこの子が理解するのか?」
などなど、感情的に怒鳴りちらすことをしなくなりました。
子供の顔色を伺うというよりも、子供にも子供の責任があるということを
考えながら、話をするようになりました。毎日子供と切磋琢磨しています。
追記 
話の中で涼子のお父さんの話が出てきます。もしかもしかして「北斗興産」
の重役のようで。と、いうことは禾田進介氏と同じ社員ということ。
 

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その27)

この作品は「水に描かれた舘」のすぐ後に読んだ方が、いいと思います。
橡家の伝説 第1刷 1982年昭和57年6月30日 発行
装幀 味戸ケイコ+長谷川純子 あとがき なし
「水に描かれた舘」より2年後の話です。
哲文が運転する車で叔母の家へと向う涼子。叔母の家は1本道なのに、
通いなれた道なのに、嵐の中で迷ってしまった。倒木のため車を降り歩き
出した。雨で視界もかすむ2人の眼に館の明かりが見えた。
駆け寄ればレンガ造りの見知らぬ屋敷。背に腹は変えられぬと一夜の宿
として助けを求め、戸を叩いた。
テーマは時間空間移動ですが、禁欲自己制御忍耐正直が本テーマだと
思います。作者は相続というものに厳しい眼を持っています。
1代で財を成した家でも2代目3代目で潰すという話は、嘘か誠か解りま
せんがよく聞くところです。
時代が過ぎ科学の黎明をむかえたとき、光り輝く遺産として生きてくると
伝えられていきますが、子孫の誰もが思慮深いとは限りません。
作者の皮肉はここにあり、です。家族といえども財産が絡めば人間歪んで
しまう恐ろしさを描いています。
家族であっても第3の視点で冷静に近遠合わせた将来を見据えて、愛ある
生活が出来てこそ、贅沢散財無駄を廃してこそ、徳の高い生き方が出来る
と暗に示していると思います。

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その26)

「影の姉妹」の姉妹作なのでしょう。
沙霧秘話 第1刷 1983年昭和58年2月5日 発行 
装幀 味戸ケイコ+長谷川純子 あとがき なし
「影の姉妹」では、爾々玉と毘翠には子供はひとりだけ。孫の代の真拆には
男女2人の子が出来ました。娘は嫁ぎ3人の子を産む。
息子は結婚後3人の子を授かる。
この中の男子の一人が沙霧の父親ということでしょうか?
沙霧が17,8歳頃「戦色は濃く・・」とあります。戦前か戦中か?太平洋
戦争なら、「影の姉妹」は第1次世界大戦の後くらいなのかな?
時代を推測するのって、わたしにはむずかしいです。
作中「影の姉妹」で語られていた子守歌が明らかになり、
沙霧の運命を揺さぶります。
沙霧が気に入ったいう、ガラスケースに入った日本人形は「潮汲み」
という日舞を題材にしたものだと思います。これは日舞を習っている
観ていると言う方はご存知と思いますが、すいません。私はうといので
知りませんでした。
分かれた心それぞれが実体を持って生活しているという、発想がすごい
ですね。今までに無いおてんば娘もかわいいです。
6月24日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その25)

「影の姉妹」は考えさせられる言葉がたくさん詰まっています。
真拆の章 抜粋
「・・・人は心において他人に引きずられるのを拒む。自ら動いて生きて
考えるもの。つまりは信念を犯されたくない。それさえしっかり保つなら
仕事や友や家族に染められるのはたいしたことではない。生きるための
方便なのだから。だから、人の上に立って説くのはやめよ、人を揺さぶる
ことを考えよ、感動で揺り動かすだけの努力と実績を己に課すがよい。・・」
真拆が祖父「お館さま」を思い回想している場面です。
作者の思いが凝縮した言葉だと感じました。
「人を世間を揺さぶる実績を・・・」歌でも小説でも何でも揺さぶられたもの
に「感動」したという冠を与えているんですよね。
ここに佐々木丸美のすごさがあるのですね。
氷椽子の章 抜粋
「・・・精神は霊の分野で語られているが、いつの日かエネルギーの種子と
考えられるかもしれない。霊と物質が同じであれば化学は方向を転じる
だろう・・・・」
私はこのとうりだと思います。霊の存在を頭から否定をして、気のせいとか
集団ヒステリーと決め付け切り捨てている人物が教鞭を振るうのは嫌です
ね。化学科学者は常に「なぜ?どうして?」という思いでいてほしいです。
この世のすべての物質は原子で出来ていると解っているけれど、核の
まわりを電子が回り続けているいる力の源は理解していない。
水も肉体も霊もすべては原子の集まり。鍵が見つかれば新たな化学の
扉が開かれるでしょう。

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その24)

影の姉妹 第1刷 1982年昭和57年11月16日 発行
装幀 味戸ケイコ+長谷川純子 あとがき なし
基本軸はドッペルゲンガーですが、そこは佐々木丸美、ロマンチシズムや
不思議を感じさせるだけで終わらせないところがいいですね。
爾々玉様の時代は大正かな?毘翠様は昭和初期。真拆様は戦前。
真拆様の子供は名前は記されてません。娘と息子1人づつ。
娘が結婚した後のことは書かれていません。
氷椽子は戦災孤児で出生は不明です。今の家族には2歳の時に引き
取られています。ですから、戦中ということになります。
氷椽子さんは結婚して「南原」になっています。檀弓の妹弟は生まれず
氷椽子と共に亡くなっています。檀弓は学校に通っていますので、戦後で
しょう。氷椽子さんのねえやが檀弓を「南原家」再興のために遺産を渡して
いますので、「南原」のままなのか結婚後の苗字なのかは不明。
はっきりくっきりとした結論を出さずに物語を閉じるので、不思議な感覚が
残るのでしょう。ですが答えは本文中にありました。
6月22日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その23)

佐々木丸美、全作品の中で何が一番好き?と聞かれましたら
私は「水に描かれた舘」です。次が「罪・万華鏡」ですね。
ずばり吹原氏が出てくるからです。
あの当時、女子高校生だった私にインプリンティングされた
理想の男性像は今も変わらないですね。
ページをめくるとときめいてしまいます。
罪・万華鏡 第1刷 1983年昭和58年10月14日 発行
装幀 味戸ケイコ+原久美子 あとがきなし オムニバス
しおり付き
・異常心理
・嫉妬
・被害妄想
・予知
大学付属の医局の心療内科の先生で、大学で講義もしていて、
仏典の研究家で執筆活動もして、法学博士でもあり、警察から協力依頼が
きてと、信頼と博学と仕事の質の高さといい、男としてもできすぎます。
「夢館」後ぐらいの時期だと思います。
成功話だけではなく、友人、師範の挫折話をはさむことで、厳しく紙一重の
仕事をやり遂げるのは、私情を挟まない誠実さであることを示していると
思います。
吹原氏はあこがれの君ですね。
6月20日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その22)

罪灯(つみともしび)第1刷 1983年昭和58年6月24日 発行
装幀 味戸ケイコ+長谷川純子
あとがき なし。 オムニバスです。
・危険区域
・顔
・魔火
・通訳
冬緒(ふゆこ)、春緒、夏緒、秋緒たちは高校3年。
刺激と思いつきと打算が生んだ泡沫の殺意。
出会い、恋して、おののき、こっぱみじんに砕かれ、学び大人になる。
それぞれの章に、仁科、巴田、堂本、吹原、4氏が出てきます。
「夢館」と時間が重なるようです。
今なら「未必の故意」で書類送検されるかもしれませんね。
ワインを飲むシーンも今は、ご法度でしょう。
年寄りになっていいます。「あの頃はよかった」

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その21)

恋愛今昔物語 舞姫 第1刷 1981年昭和56年6月12日 発行
あとがきなし 装画 味戸ケイコ - 鶴の恩返し より
この物語に関しては、メイプルシロップに浸したカステラです、と言える
ぐらい甘く清く美しくなのです。
夢を追いかけ続けて、夢に潰されそうになっている青年黎(りょう)の前に
現れた少女夕香(ゆか)。身元もあかさず「あなたの元に来ました」としか
言わない浮世離れした少女は、夢への翼を広げる力をくれるが・・・。
元の話が「鶴の恩返し」ですから、きれいなきれいな物語仕上がりです。
いいじゃあないですか、そんな話があったって・・です。
6月19日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その20)

新 恋愛今昔物語 第1刷 1981年昭和56年4月4日 発行 
装画 味戸ケイコ
短編集 あとがきなし
・夏緒の失敗         - 玉屋の椿 より
・秋緒の失敗         - 鼻たれ小僧さま より
・冬緒の失敗         - 赤ん坊になったおばあさん より
・春緒の失敗         - こじきのくれたてぬぐい より
・生徒             - たのきゅう より
・嗚呼、エリート       - 座敷わらし より
「生徒」「嗚呼、エリート」は前作 恋愛今昔物語の中の短編「先生」
「嗚呼、ハイ・ミス」の続編です。
大人の童話として肩の力を抜いてくつろいでお楽しみください。

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その19)

「崖の舘」「水に描かれた舘」「夢館」「雪の断章」「忘れな草」「花嫁人形」
「風花の里」「ながれ星」「を続けて読みますと、佐々木丸美という作家の
傾向と憂いと思いが見えてきます。作家として登場人物と共に物語の中で
旅してほしいという思いと高度成長期に切り捨てられようとする、文化芸術
道徳美徳をもっと見直し大切にしてほしいという思いが汲み取れます。
ここで、ちょっと一休み。くすりと笑みを誘う、作品も楽しんでほしいです。
恋愛今昔物語 第1刷 1979年昭和54年9月20日発行
           第2刷  1981年       4月  6日発行 装画 味戸ケイコ
短編集 あとがきなし
・恋地蔵 Ⅰ          - 笠地蔵 より
・恋地蔵 Ⅱ          - 田植之地蔵 より
・嗚呼、ハイ・ミス Ⅰ     - 天狗の羽うちわ より
・嗚呼、ハイ・ミス Ⅱ    - 天狗のかくれみの より
・恋頭巾 Ⅰ          - きき耳頭巾 より
・恋頭巾 Ⅱ          - きき耳頭巾 より
・怪談 Ⅰ 梅女の呪い   - 九州地方の伝説 より
・怪談 Ⅱ 顔のない女   - おいてけ堀 より
・夏子の場合         - かしき長者 より
・秋子の場合         - 木仏長者 より
・冬子の場合         - わらしべ長者 より
・春子の場合         - うぐいす長者 より
・美しい奇跡          - 鉢かつぎ姫 より
・不思議な白い椿      - 夢を買う より
・雪別離            - 雪女 より
・愛許可証           - 定六とシロ より
・みにくい三姉妹       - こじきのくれたてぬぐい より
・先生              - たぬきと彦市 より
この本をきっかけに昔話も読んでほしいです。
心得として学ぶべきことが詰まっています。
6月17日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その18)

奥尻沖地震、インドネシア沖の大津波、阪神淡路大震災、東北の震災
北九州震災。今なら今こそ今だからすごく共感できるのかもしれません。
離島を襲った津波。残された少年少女。現代版15少年漂流記。
持っている知識をフルに使って生き抜こうとする力。
今でも、中学高校生が古代文明天文学が好きと言えば、オタク扱いで
倦厭されがち。ファッションや車や映画に通じていればおしゃれで
かっこいいと思っている人がいかに多いことか。嘆かわしいことです。
サバイバル時に生き抜く力があってこそ、のかっこ良さを作者は
もっと見直してほしかったのでしょうね。
キャンプ場のある離島ということで、他にもキャンパーがいました。島の
異変に気づいた青年は彼ら6人に4歳の少女を託しました。作中では名前
が言えず、とりあえず「すみれ」ちゃんと呼ばれることとなりました。
この子が「妙生子」です。
以前の作品を読んでいなくても面白く読めますが、トラの話がちょっとだけ
出てきたとき、読んでて良かった!と思いました。
今、学校で勉強していることが生活仕事に直結しているとひしひしと感じら
れれば、誰も無駄だと思わなくなるでしょう。
生きていく為の労働、生きていく為の学業、生きていく為の交流。そこで
生まれる喜怒哀楽は一生懸命のご褒美だと思います。
さあ、糸車に善の糸を巻き、七色の布を織りましょう。

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その17)

http://www.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/yjpt/yogo.cgi#yogo516
バルドソドル用語解説 です。
 
「風花の里」も生まれ変わりが底辺に流れています。いかに生き、いかに
死ぬのか、立ち止まり考え、せいいっぱい生き抜いてほしい。という作者の
叱咤激励が詰まっている作品なのかもしれません。
アパートの管理人のおじいちゃんは実にいいです。作者の描くお年寄りは
理想像なんでしょう。過去をぐちぐち語らないのがいい。過去は未来の
教訓に留め、同じ失敗を繰り返さない。恩は形を変えて返すもの。
教えていただきました。
さて、「風花の里」の星玲子のいとこ「妙生子」はどこへ消えてしまったのか
これこそが、大人の童話という形を借りた教訓本でしょう。
 
「ながれ星」第一刷 1981年昭和56年11月25日発行
       装幀   味戸ケイコ+長谷川純子
あとがき なし
生化学を学びたいと学者然としている大輔。古代文明にどっぷりつかって
いる壮、天文化学にのめりこんでいる克人は高校3年トリオ。3人は自分
たちの好きなことを存分に発揮するため、夏休みになれば離島のキャンプ
場へと赴いていた。その話を聞きつけちゃっかりと着いていったそれぞれ
の彼女たち、2年生の直満子、弘子、桐子。
10日に一便しかない船、上陸してしまえば本島との連絡手段も無い。
6人は最高の思い出を作るべく、キャンプを楽しんでいた。
しかし・・・。
6月16日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その16)

出版順でいくと紹介は「恋愛今昔物語」となりますが「忘れな草」の番外編
の「風花の里」へ行きましょう。
「風花の里」第1刷 1981年昭和56年5月8日 発行 装画 味戸ケイコ
あとがき なし
一野木昌生という名が引き寄せる運命の糸。見えざる遺産に蠢く亡者。
守護神の大きな猫。
いろいろな要素が集約した作品です。両親との死別。幼馴染の友情。
アパート管理人のおじいさん。ハープと笛を持つ民族人形。禾田氏。
沖島先生。上久家。
そして、ギリシャ神話がベースにあり、企業間の争いがざわめきを与えて
います。
「雪の断章」「忘れな草」「花嫁人形」は企業の継嗣、相続権問題が少女達
の生き様に困難をもたらしています。
「風花の里」は星玲子の記憶に隠された祖父の遺産。遺産という言葉を
聴くとついついお金!と思いがちですが、そうではないところがみそですね。
では、何かと問われますと何と言ったらいいのか、表現に困ります。
本中ではシュリーマンの話が出てきます。そこから推測するなら・・・。
星玲子はおまじないの言葉を口にします。
「ばるど そどる(BARDO THODOL)」ネットで検索してみました。
 http://translate.google.com/translate?hl=ja&langpair=en|ja&u=
http://www.lib.virginia.edu/small/exhibits/dead/dying.html&prev=
/translate_s%3Fhl%3Dja%26q%3DBardo%2BThodol%26sl%3Dja%26tl%3Den
これが一番近い回答かと思います。
こんなときはネット様様ですね。
6月15日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その15)

脇役ではありますが、キーパーソンの「トキさん」いい味だしてます。
目立ちませんが「結城 晋」「大場」「斉木」と言う名も続く「花嫁人形」に
登場してきます。
あえて曖昧にされている、出生。守ろうとするもの、企むもの。どちら側の
見方をすれば、すべてが明るみにでるのだろう、と思わせてくれるつくりが
作品の魅力なんでしょう。「忘れな草」は葵と楊子の無邪気さに明るさを
感じることができます。
が「花嫁人形」は痛い。読みながら、また泣いてしまいました。
「花嫁人形」第1刷 1979年昭和54年2月24日発行
                第5刷  1981年昭和56年8月28日発行 装幀 味戸ケイコ
あとがきはありません。
私の祖父は学校に通っていません。ですから、カタカナ表記しか出来ませ
んでした。母も学校は半分しか行ってない、といい50,60歳になっても字の
練習をしていました。ですから文盲の怖さを聞かされてきました。役所に
出す書類ひとつにしても、読めず書けず恥ずかしい思いをした、と言って
おりました。
明菜の家族から愛されない辛さ、、文盲の悲しさに、つい共鳴してしまい
ました。また、順子、楊子、トキさんたちも登場。
「夢館」の吹原氏の後輩は橘壮嗣です。ここにつながっています。
明菜は学校に行かず、家から出ないという中でも、育ちの良さが出るのは
会話の言葉使いがきれいだからでしょうね。

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その14)

いずれ、全本を読破した際には関係図と相関図でも作ってみましょう。
設定上なのか、作者の好みなのか、登場人物たちは一般的な親の愛に
恵まれていません。だから、深く強く恋愛に真っ直ぐ結びつくのかもしれま
せん。
10代の時は、自殺は小説上の味付け、スパイスだと思い気にとめてい
ませんでした。が、40代になり少しは人生のなんたるかを味わうと自殺の
罪深さが物語に重さを与えているのだな、と思えるようになりました。
「忘れな草」のテーマは友情。ケンカもおやつの分け合いも対等だと認め
合っているからこそ出来る。裸の感情をぶつけ合うのも、魂で語り合って
いるから出来るのだといってます。
ブログやHPで悪口を書かれたと自殺や殺人を選択する若者に、この本に
出会い、いろんな角度で考える力と話し合う勇気を持ってほしかったな。
物語の中には次回作に続く、キーワードがいくつか出てきます。
昭菜についての部分は、覚えておいてほしいですね。
仏の教えも物理も同じことを語っているのだな、と解りかけてきました。
西洋では自然から得た知識を記号と数字を用いて広くひろげる手段を取り
東洋では言葉で自然の動きを語り伝えようとしていた、という違いだけでは
ないのかな。
数値で平均化出来ないものに不思議という分類をしているだけなのだ。
ちょっと、アホくさいですね。
6月14日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その13)

「雪の断章」の登場人物
滝杷祐也・近端史郎・近端浩一郎・本岡剛造は
後に続く作品にも関係してきます。覚えておきましょう。
 
「忘れな草」第1刷1978年昭和53年1月20日発行 装幀 井上正篤
       第7刷     昭和56年3月27日発行 装画 味戸ケイコ
あとがきから参考資料
「ブッダのことば」中村 元訳 岩波文庫
「般若心経講義」高神覚昇 角川書店
「釈尊のことば」増谷文雄・奈良康明 日本放送出版協会
「法句経講義」友松円諦 角川書店
この作品は企業の継嗣問題を背景に、道具にされた少女が2人。恋と出生
という、ニンジンに釣られて勝気な女の子のケンカは今までに無い
はつらつさがあります。
間奏部分には葵の独白だけではない、佐々木さんの仏教から学び感じ
伝えたい思いが、たくさんたくさん書き込まれています。
物語の展開とともに、深まっていく思考を楽しんでほしいですね。
また、いままで以上に登場人物の名前がたくさん出てきます。
整理しながら読み進めていかないと、混乱します。
葵が弥生になり、弥生が楊子になり・・?じっくり読み進めないと
展開に気づかず、どうしてって読み返してしまいました。
6月13日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その12)

「雪の断章」は少女、飛鳥の成長を描いた物語です。ミステリーとかサスペ
ンスという言葉に踊らされて読めば、拍子抜けするでしょう。メルヘンという
には、現実感がありすぎるきらいもある。現実社会と比較すれば、ありえな
い。ということでつかみ所が無いので、どの分野か表現に困り評価が割れ
るのが佐々木丸美という作家の作品の特徴かもです。
佐々木丸美を読むとき、主人公に気持を寄せながら、作者の言いたいこと
を見つけることです。結構登場人物達に「語らせて」います。
主人公が少女ということ、話の展開が彼女たちによって進められるところは
男性には共感できない部分が多いと思われます。
ですが、飛鳥のような心の揺れは誰でも持っているはずです。日常の
出来事の中で泡沫の様に消えてしまうので、忘れがちになります。
飛鳥は幼いながらも、公平でありたいという基本軸を持つところは、見習い
たい姿勢です。いつか必ず幸せになりたいという気持を「マツユキ草」を探
す少女に重ねているところは、白馬の王子様を夢見る少女と同じ。
頑固で早とちりで、気を使いすぎて言葉が出てこない。なんて、誰しも自分
にも経験があるな、なんて思いあたるのでは。
飛鳥は自問自答を自然を見つめながらしているので、心の綾の表現が
詩的になるところは、作者が日々自然を眺めて暮らしていたからでしょう。
恋愛に関しては「まぬけ?」「カマトト?」と言いたくなるところが多々あると
思いますが「身内でもない人間に育てられる恩」というものを理解出来る
ことは、その立場に立たなければ無理だと思います。推測するしかないで
しょう。ですが、養護施設が満員状態の現代、親の愛情の薄い人がいかに
多いことか。憂うべき状況がある今はそこから理解出来ると思います。
性的描写も無い、完全懲悪でもない、静かできれいな物語は今こそだから
こそ貴重なのかもしれません。
6月10日

佐々木丸美さんの作品 大好き!(その11)

話は前後します。あまり賢いほうではないので、思いついたことはすかさず
書き出さねば、忘れてしまいます。
佐々木丸美作品のあとがきについてです。
作品の発刊順は「雪の断章」「崖の舘」「忘れな草」「水に描かれた舘」です。
この後の「花嫁人形」からはあとがきがありません。
「雪の断章」のあとがきはマルシャークの「森は生きている」から得た指針と
飛鳥に託した思いと出版にあたりご助力してくださった方々への感謝が表
されています。
「崖の舘」では推理小説の要素を含みながらも、ジャンルに囚われない
純文学を目指したいという希望と、日高の景色に出会えた喜びが書かれて
います。
「忘れな草」のあとがきは作中で描いた友情と愛についての思いと、仏教か
ら学んだ人生の生き方を書いています。
「水に描かれた舘」では文学界に対する落胆とマスコミに対する不信。
「崖の舘」で書いたあとがきを受けて書かれた批評に対するいきどうりと
人と対面する苦痛が読み取れます。
佐々木丸美さんは自身の意見や主張をしても、誤解を生むだけだと思われ
て、あとがきを書くことをやめられたのではないでしょうか。
ただただ作品を読んでもらい、登場人物たちと一緒に泣き笑いしてくれれば
いい、とお考えになったのかもしれません。
私は「眼光紙背に徹す」という故事を知ってから、本を読むときは心がける
ようにしています。登場人物たちの喜怒哀楽に興じるだけではなく、作中に
散りばめられている作者の信念とか考察を余すことなく、読み取りたいと思
いつつ、読み進めています。そういう人になりたいですから・・。
佐々木丸美さんの作品はまたそういうものがたくさん含んでいます。
読むほどに学ぶところを見つけられます。